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青の帰り道

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映画「青の帰り道」公式サイト

もしも、なんて考えたことない人はいないだろうな

子どもから大人になる瞬間ってどこだろう。きっとその瞬間に正解も不正解もないような。「大人なんだからちゃんとしないと」ってどこからがちゃんとしてる事になるんだろう。真っ当に生きる人を「ダサい」「かっこ悪い」と思うのは自分には何もないから、空っぽだから、変わってしまう事が怖いから、それでも置いていかれるのも怖くて葛藤しているんだろうな、とか。そんな言葉の裏にある本心に気付かれたくなくて気付きたくなくて、でも、もしかしたら本当は気付いてほしいのかもしれない。

夢を持って歩き続けることは簡単じゃない、現実と理想が違うことに打ちひしがれて生きる事に疲れる時だってある。ずっとキラキラしていられる瞬間なんて無くて、忘れたくないはずの思い出さえも眩しすぎて目を逸らしたくなる、誰かのせいにして生きていかないといけなくなる。何が正しいのかなんてわからなくなる。だからって漠然と生きる事がいいわけでもなくて、簡単に見えて簡単じゃない、何もないからこそ先が見えなくて変わっていく周りを見て怖くなる。

輝いた日々は戻らないけど忘れてはいけない。失ったわけではなくてずっと心にはあるのに忙しなく過ぎる現実がその思い出を薄めていくだけ、たったそれだけなのに全部を失くしたように感じてしまう。

やりたいこと、やれないこと、出来たこと、出来なかったこと、諦めたくないこと、諦めざるを得ないこと、沢山ある。彼らのように夢を追う人、夢のない人、それぞれいても全部間違いじゃない。進んでいく道に障害として現れる大人達の言葉に心を潰されることだってある。

変わっていく周りに嫌気がさして一人で居れば楽だと思って突き放してしまう、それでも なにか があった時にどうしても頭に過ぎる人がいる、無視できなくて、忘れられなくて、そんな人がいる。どれだけ世界や自分や周りが変わっても一緒に生きたいと思える人がいる。きっそれだけで人は強くも弱くもなれる。でもそんな世界で生きていられることに感謝しようと思えた。

死んだら終わり

生きることに絶望してもう死んでしまえば楽になれるなんて思ったことは沢山ある。それでも生き続けてきたのはリョウが言ったこの言葉が自分の中にあったから。死んでしまったらもう、何も無くなる。楽になれるって事さえも無くなる、全部が無くなる。生きてるから苦しくて、生きてるから楽を知れる。生きていないと何も出来ない。

この先、短くはない人生だけど生きなきゃ、生きていかないと。どうすることが何をすることがどこにいることが正解なんかわからない。生きていくことに正解なんてないのかもしれない。でも、だからこそ生きていかないと。

もしも僕が天才だったら。

この言葉の先を私は見つけられなかった。それでも生きる。「こんな僕も悪くないって思えたんだ」って思えるように。もしも、なんて無くても今の私で、今を精一杯に生きる。失敗なんていくらしたっていい、後悔だっていくらしてもいい、生きてさえいれば。

沢山のことを考えさせられて、胸にささって、それぞれの登場人物の心情、環境、言葉に共感できた。この作品に出会えて良かった。きっとずっと忘れない、2回、3回と回数を重ねるとまたいろんな考え方が自分の中に生まれるんだろうなと思った。拙い言葉しか出ないけど私の心に、人生に大きく影響すると思った。